【Haduki】


翌日。

これはまさかの、王道が来ました。



「うわぁ……下駄箱がゴミのようだっ!」

「なんでちょっと嬉しそうなのよ」

「わかってないなぁ、珊瑚さん。これはね、私が彼女らに敵対心を抱かれている証拠なのだよ。つまり彼女たちは」

「ワカッタワカッタ」

「わかる気もねぇ!」

「どこの世界にあからさまなイジメを受けて、喜ぶ奴がいるのよ」

「ここに」

「ドヤ顔してんじゃねぇよ藤原の分際で」


にこにこしていると、正面からとぉっても不機嫌そうな東雲先輩がやってきた。

私がゴミ(というなの下駄箱)の中から上履きを発掘するのを怪訝そうに見ている。

埃とちりにまみれた上履きを履きつつ、私はゴミに手を突っ込む。

おそらくアレが……。



「……」

「……なにやってんだよ」

「いや……恋愛もので靴箱が汚くなれば、ああいうものが大体は出てくるんですが……あ、あった」



きたねぇ、と吐き捨てる先輩。私もそう思います。

私の手の中には、素晴らしく愛のこもっているであろう『ラブレター(という名の果たし状)』があった。