普段おっとり系の幹居が怒鳴り、教室は静まり返る。


幹居ファンの4人は気マズそうに立ち去り、幹居はオレと目が合った後、一気に真っ赤になった。


「ご、ごめんね十六夜君!私だってあまり親しくなってから、時間経ってないのに……でも!私十六夜君は、ステキな人だと思うから!!」


早口で言い切った幹居は、弁当口いっぱいに突っ込んでマジでハムスター化。


一方のオレは、先程までの『友情』が瞬く間に違うものに変わってゆくのを感じていた。


「………逃がさないから」


ニッと意地悪く笑うオレに、幹居が気づく事は無かった。