マイルド・ガールとワイルド・ボーイ3

自分がカワイイ事も、モテてる事も、何にも分かってない幹居。


話す機会が増えてから気づいたんだけど……幹居、マジで自分がカワイくないと思ってる。


『私もお姉ちゃんみたいに美少女に生まれたかったなぁ』


とか普通に言っちゃうんだぜ?


コレ、幹居の性格とか知らない人が聞いたら、嫌味にしか聞こえねぇよ。


「だったらいいけど……あっ、HR始まっちゃう」


オレの誤魔化しを素直に信じたらしい幹居が、壁に掛けてある時計を見ながら呟いた。


「私、自分の席戻るね。桑村君、イス貸してくれてありがとう」


「おう……」