ウェイターなんて冗談じゃねぇとバシッと断ろうとしたのに、紀右の小さな声に目線を下に。


たった今彼女になったばかりの紀右が、オレの制服の袖の部分を摘まんでオレを見上げていた。


「私も次またウェイトレスの当番だから、楓と一緒にいたいな……ダメ?」


「やる。康生オレやるわ」


こんな事言われちゃ、断る事なんて出来るワケねぇだろう。


『えっ?なぁ今幹居の「ウルセェ、黙れ」』


紀右の声が聞こえたのか、驚いた様子の康生を遮り、電話を切った。


「それじゃあ行こっか?紀右ちゃん」


「………うん//////」