「乃唖ちゃん、オレ、この子が好きなんだよね」


コッソリ校舎の陰に隠れていた紀右の肩を、思いっきり引き寄せる。


「…………フエッ?」


紀右のマヌケなリアクションが、なぜか妙にオレのドツボにハマった。


「……………楓?」


「あっ?そうだけど?」


ピンク色の唇を丸くして、呆然とオレを見上げる紀右。


肩に回した手に触れる紀右の茶髪が、スゲェ気持ち良かった。


変態みたいだな、オレ。

(↑変態じゃん、アンタ)


「ア、アアアアアンタ、い、いつから……」


混乱のし過ぎで、超噛みまくっている紀右ちゃん。