えっ?なんで横で楓の声がするの?


不思議に思いパッと顔を上げると同時に、グイッ!と肩を引き寄せられ――――……


「乃唖ちゃん、オレ、この子が好きなんだよね」


優しく、爽やかな香りが、鼻を掠めた。


いつしか私の“当たり前”になってしまっていた、楓の香り。


「…………フエッ?」


突然の事態に頭がついていけない私の肩を抱いてるのは………紛れもなく楓だった。


少し上に、楓のダテメガネで隠されたやたらとイケメンな顔がある。


だけど……今の言葉だけは“真実”だって………


信じても…いい?楓――――…