階段に座ってた長峰がガバッと立ち上がり、紀右と向かい合う。


「アンタはそれでもいいの!?相手が誰だか分からないけど、アンタのその人への気持ちは、そんなに軽いものなの!?」


怖い顔で訴えかける長峰の迫力に、紀右は若干後退り。


「そんなに簡単にあきらめようって思うなら、所詮その程度の気持ちだって事になっちゃうわよ!?」


「寧、寧央!少し落ち着きなさい!」


完全に興奮している長峰を引っ張って、どこかに消える細石。


オレ達の視界には、紀右1人だけが取り残されていた。


「なぁ、幹居の好きな男って、まさか……」