ゆっくりと立ち上がった紀右は、トントン…と階段を降りる。


床に両足がついた紀右の顔には、いつもの明るい笑顔は無かった。


「でも……私よりその子の方がカワイくて、スタイルもいいんだ。だから私も好きって言えない…もうこのままあきらめちゃった方が、いい気もする」


―――ちょっと待て。


紀右の話をまとめるとこういう事か?


紀右は好きな男がいて、紀右の知り合いの女の子もソイツが好き。


で、紀右は協力を頼まれてて――――…自分より相手の方がカワイイからって理由で、あきらめようとしている……?


「ちょっと紀右!!」