あまりにも激しい楓の変身っプリに呆然としていた千梨さんが、ハッと我に戻る。


「乃、乃唖失礼だろう!初対面なのに!」


「え~~~?だって本当に彼、メガネ無い方がいいと思わない?お兄ちゃん」


「ご、ごめん十六夜君!!コイツ悪気は無いから、許してやって!!」


「ハ…ハハハ………」


千梨さんが必死にフォローするのを、楓は遠い目をして受け流す。


きっと…私だけだったんだろうな。


この時……猛烈な正体不明の苦しみに襲われて………


「楓―――…」


今にも楓の腕に抱きつきたい、謎の衝動に駆られていたのは。