ケラケラ楽しそうに笑う綾芽ちゃんに何も返せないまま、私はキャッチボールを楽しむ男3人を眺めていた。


「ねぇ紀右?確かにオレ様って勝手で大変な部分もあるかもしれないけど……」


「……」


「それらを受け入れて幸せになった人もいるんだし、アンタも素直にいけばいいんじゃないのっ?」


思わず見とれる様な華やかな笑顔を残し、楓達の所に走ってく綾芽ちゃん。


フワフワのアッシュブラウンのロングが、やけに目に焼きついていた。


「素直にって…どういう意味?」


私がこの言葉の意味を理解するのは


もうちょっと後の事だった。