カチャン……


慣れ親しんだダテメガネを、机の上に置く。


「あーーー…やっぱりメガネ無い方が落ち着くーーー……」


髪をちょっとクシャクシャにして、オレ自身も机の上に乗る。


そして幹居が来るのを待った。


「カバンあるし……帰ってねぇよな?」


もしオレとの約束忘れてさっさと帰ってたりしたら………ぜってぇ許さない。


邪悪な笑いを浮かべていると、教室の後ろ側から女の子の声がした。


――――来たか、幹居 紀右。


「ごめん十六夜君。ちょっとトイレ行ってて――――…え……?」


途中で止まる、柔らかい声。