唇を離し、俺は我慢できずに彼女の華奢な体を 抱き締めた。 柔らかい髪を撫でると、離したくない衝動に駆 られる。 「慎也…」 「悪い。もう少し、このままで…」 俺の突然の抱擁に、汐莉は少しだけ驚いたよう だったが…すぐに受け入れてくれた。 ギュッと俺の服の裾を握る、彼女の小さな手。 乱暴にすれば壊れそうに細い体。 好きだ、汐莉。 俺には…お前以外の女なんざ、必要ない。 もう…… お前しか見えないんだ。