「どうした?」


「な、なんでもない!!」


「お前、顔真っ赤。熱でもあんのか?」


「違う!!そんなんじゃないの!!」


「さっき図書室出る前も変だっただろ。具合が悪いなら……――」


その時、魁一の大きな手の平があたしの目の前まで伸びてきたのに気が付いて。


魁一の手がおでこに触れる……――。


そう察した瞬間。



「……――やめて!!」


あたしは魁一の手の平を力いっぱい振り払っていた。