「ったく。ちょっとは気をつけろよ。鈍くせぇな」 「そ、そんな言い方しなくてもいいでしょ……?それに、助けてくれなんて言ってないもん」 そんなことを言いたいんじゃないのに、何故か意地を張ってしまう。 あたしが言い返すと、魁一の眉間の皺がさらに深くなった。 「俺が助けなかったら、今頃お前は保健室行きだろーが。ちょっとは感謝しろよ」 魁一はそう言うと、あたしの右腕をギュッと掴んだ。