「って、何で魁一がこんなところに!?」 あたしの体を後ろから抱き抱えるように、図書室の床に座り込む魁一。 その顔はほんの少しだけ苦しそうに歪んでいた。 もしかして……あたしのことを助けてくれたの……? 「えっ……ちょっ……どういうこと?」 「いいから早くどけよ」 「あぁ、ごめん!!」 慌てて立ち上がろうとすると、宮崎君が右手を差し出してくれた。 「七瀬さん、大丈夫?」 「……うん。ありがとう」 ありがたくその手に掴まって立ち上がると、魁一は眉間に皺を寄せた。