「俺に言いたいことがあるんなら、さっさと言えよ」


莉奈を上から見下ろしてそう言った時、小さな肩が小刻みに震え始めたのに気がついた。


ダメだ。


これ以上追い詰めれば莉奈は……――。



「いいか?お前は俺の女なんだよ。お前に拒否権はない」


「……――っ」


莉奈は俺を涙目になりながら睨みつけ、グッと唇を噛み締めると勢いよく走りだした。



「あっ、七瀬さん!!待って!!」


宮崎の声にひるむことなく、莉奈は校舎の中に姿を消す。



「チッ」


その場に残された俺は小さく舌打をした後、タバコに火をつけた。