隣の席の俺様ヤンキー【完】

『さっきのキスが……生まれて初めてのキスだったんだから!!』


そう言った時のあいつ……顔は怒っているのに目はどこか悲しそうで。


小刻みに体を震わせていた。


まさか俺……


あいつのこと、傷付けた……?



「……なぁ、女って初めてのキスって大事なもんなのか?」


思わず目の前にいるアキラに尋ねると、アキラは大きく頷いた。


「当たり前じゃん!!女の子にとってファーストキスは大好きな相手と……――っておい!!魁一!?」

「また後でな」


「お前なぁ、人の話は最後まで聞けよ!!」


そうか。


女にとって初めてのキスは大切なもんなのか。


アキラの言葉がグルグルと頭の中を駆け回る。


俺はそのまま屋上を飛び出した。