「魁一……どうして……」


宮崎君はあたしを助けてくれたんだよ。


本当は泳げないのに、必死で……――。


もしかして、何か誤解してるの……?


心臓が不快な音を立てて鳴りつづけている。


早く。早くいかなくちゃ……――。


もつれそうになる足に構うことなく踊り場に続く階段を駆け上がる。


「……――テメェ、ふざけんな……――!!」


踊り場にたどり着いて言葉を発しようとした瞬間、魁一の右手が宮崎君の頬をとらえた。