【莉奈side】


「……――あんたの大好きな彼氏が宮崎君に掴みかかってるわよ?」


数分前、突然クリーム色のカーテンが開いたかと思うと、腕を組んで立っていた白鳥さんがあたしを睨みつけながら言った。


「あんたの命の恩人を殴ろうとするなんて魁一君って本当に最低」


「魁一が宮崎君を……?まさかそんな……――」


「本当よ。疑うなら自分の目で確かめてみたら?屋上の手前の踊り場にいるから」


フンっと鼻で笑うと、白鳥さんは保健室から出て行った。