「俺はそんなの仕組んでない」


「じゃあ、さっきの会話はなんなんだよ」


煮え切らない言い方の宮崎にイライラして、宮崎の襟をグッと掴む。


「何とか言えよ。あぁ?」


「……――二人がまだ偽りの恋人なら、俺が七瀬さんをもらってもいいよね?」


「テメェ、ふざけんな……――!!」


この期に及んでふざけたことを言う宮崎に、俺は右手を思いきり振り上げた。