隣の席の俺様ヤンキー【完】

「……――?」


保健室の中に入ると、男女の声が耳に届いた。


楽しそうにしゃべる男女。


その声の方向に歩みを進めると、


「ふふっ。何だか子供同士の約束みたいだね?」


莉奈の楽しそうな声が薄いカーテン越しから聞こえた。



は……?


その瞬間、頭の中でガラガラと音を立てて何かが崩れた気がした。


保健室の外で必死にめぐらせた思いはどこか遠くへ行き、体中から怒りが込み上げてくる。


莉奈が溺れたと聞いて、いてもたってもいられなくて。


自分のこと以上に焦ってここまで駆けつけたのに……――。


それなのに、なんなんだよ。


なんでそんなに楽しそうなんだよ。


今、お前が笑顔を見せている相手は……――誰だよ。



「……――ずいぶん楽しそうだな」


勢いよくカーテンを開くと、莉奈はびっくりしたように俺を見つめた。