「……くそっ」


まさか白鳥が莉奈に手を出すなんて……。


しかも、プールに落とした……?


ありえねぇよ。


溺れたという莉奈の今の状況が分からずに、気持ちばかりが急く。


もし意識がなかったら……?


ありえないと頭の中で言い聞かせても、心臓が不快な音を立てて鳴り続ける。


一刻も早く莉奈のもとへ……――。


こんなに走ったのはいつ以来だろう。


胸が張り裂けてしまいそうなほど苦しい。