「あの……、大丈夫ですか?」 顔の赤く腫れあがっている男の子に近づいていきそっと声をかけると、男の子はほとんど開かない目を細めて笑った。 「君のおかげで助かったよ……。ありがとう」 「いえ……」 「名前、教えてもらえないかな?」 「……――七瀬莉奈です」 ……――あの時の男の子が、まさか宮崎君だったなんて。