「……――いち。魁一……――!!」 ハッと目を覚まして辺りを見渡す。 あれっ……? ここって……保健室? プールに落ちて誰かに体を抱きしめられた後の記憶が全くない……。 慌てて体を起こすと、ズキッとした痛みが頭に走った。 「いたっ……――」 「あ。目、覚めた?」 「宮崎……くん?」 どうして宮崎君がこんなところに……? 「熱があるのに着衣水泳なんて無理だよ」 ベッドサイドのパイプ椅子に座っていた宮崎君はホッとしたようにあたしの頭を撫でた。