「勝手に怒ってればいいだろ。お前が怒ろうが俺には関係ない」


白鳥の表情がみるみるうちに怒りで赤く染まる。


「あぁ、それからな。お前が何か良からぬことを企んでも、全然恐くねぇから」


「っ……!!」


拳を固く握りしめて唇を噛みしめると、


「……――どうなっても知らないから!!」


白鳥はそう叫ぶと、勢いよく走りだし屋上から出て行った。



「ったく。なんなんだよ」


白鳥と一緒にいた時間はほんの数分なのに、どっと疲れが込み上げてきた。


俺は白鳥の出て行った扉をぼんやりと眺めた後、取り出したタバコに火をつけた。