隣の席の俺様ヤンキー【完】


「……――アキラもきたんだ?」


あたしの前に魁一、絢子の前にアキラ君が座ると、絢子が重たい口を開いた。


「な、なんだよその言い方」


「毎日女の子と遊ぶのが忙しそうだから」


「毎日は遊んでねぇから」


「ふぅん。でも、ほぼ毎日でしょ?」


「何とでも言えばいいだろ!!誰からも誘われないからってひがむんじぇねぇよ」


「ハァ!?」


目を合わせればお互いを皮肉りあう二人。


本当はお互いのことを想いあってるはずなのに……。


無言で睨みあう二人に魁一が意外な言葉を投げかけた。


「井上、こないだ隣のクラスの橘(たちばな)に告られてただろ?」


「えっ……?どうして知ってるの?」


「は?なに、橘って。お前、橘に告られてたのかよ」


苛立ったようにそう言ったアキラ君。


魁一はチラッとアキラ君に視線を向けた後、再び話し始めた。