「それで、あたしに何か用かな?」


廊下の隅にいるあたし達に注がれる好奇の眼差し。


一刻も早くこの状況から抜け出したいあたしはすぐに本題に入った。



「実はさ、今日担当の図書委員の二人が欠席してるらしくて、図書室の管理を代わりに頼まれたんだ」


「……あぁ、そっか。それならあたしも手伝うよ。一人でやるの大変でしょ?」


「そうしてくれると助かる。こんなこと頼めるの、七瀬さんしかいなくて」


「分かった。じゃあ、放課後、図書室に行くね!」


「ありがとう。頼むよ」


ニコッと天使のような笑みを浮かべる宮崎君を見たとき、ふと昨日の言葉が脳裏をよぎった。