「……――なぁ」


唇を離した後、魁一はあたしを真っ直ぐ見つめて真剣な表情を浮かべた。


さっきの激しいキスの後でまだ呼吸が整わないあたし。


それとは対照的に、魁一は息を切らさずに言葉を続ける。



「なに……?」


「俺、お前のこと……――」


あたしのこと……?


魁一がそう言いかけた瞬間。



≪ブーーーーッ!!!≫


車のクラクションで魁一の声が一瞬かき消された。


物凄い勢いであたし達の横を通り過ぎていく乗用車。