魁一が去ってシーンと静まり返る保健室。 遠くの方で部活動に励む生徒達の声が聞こえてくる。 「……あたしのことが嫌いなのは……魁一の方でしょ?」 押し倒されても必死に抵抗しなかったのは、魁一にその気がないと分かっていたから。 だって、あたしみたいな女……魅力のかけらもないんだもんね? 数ヶ月前のあの日の出来事を思い出して、胸がギュッと締めつけられる。 あたしはグッと唇を噛み締めて、再び溢れそうになる涙を必死でこらえた。