そんな大輝に気づいて貰えて、



『友達』なんて言われて。



嬉しくないはずがない。



いつも背中ばかり見ていた人と、
向き合って笑い合える。



ずっと昔、2人で遊んだ時間を
忘れないでいてくれる。



それだけで充分ではないか。



「…やっぱ、大輝はスゲェな」



学校が違うから、
明日からまた当分会えない。



「…なに。何の話?」



でも、まぁ、それでも――…。



「別にっ!なんでもないっ!」



今は今、昔は昔。



「――大輝は高校で何部に入った?」


「おう!バスケっ!!お前は?」


「…放送部に入ったんだっ!!」



…―何も変わらないモノが、
あるって知ったから。


だから、大丈夫―…。



昔も今もたくさんの友達に囲まれて、
俺の時計の針は今日を刻む。



また来年もこの祭りに来よう。



きっと、笑い合う昔の自分に
出逢うことができるから……。



「(…今日お前に逢えて、嬉しかったよ)」


*END*