リビングのドアを開け、ソファーに腰掛ける。


ポケットに入れてあったケータイをそっと取り出して、それをボーっと眺める。


「藍沢君って、優しい人なのかな」


そう呟いてみても誰かが答えをくれるわけもなく。


優しい人なのか。


そんな言葉が頭の中をぐるぐる回ってる。


さっきの行動が見た目にそぐわないせいか、妙に気になって仕方がない。