初めてを君に

練習試合も無事に終わり
私と奈々はグラウンドに残って
お喋りしていた。

まだ森山達も残ってるみたい。

カキーンー…

ボールを打つ音が聞こえた。

あれ?練習してんのかな?

見てみると
どうやら残練しているみたいだ。

奈々と森山達のところへむかった。

するといきなり

「立花っ」

と名前を呼ばれた。

その声は紛れもなく
愛しい、恋しいあの人の声で

思わず胸がキュンとなった。

「は、はい!」

緊張しすぎじゃん。

「俺、三者連続三振とったぞ。だからお約束のジュース」

と言いニコッと優しい笑顔を見せた。


…そんな笑顔で言われたらお願いごと全部
叶えちゃうし!

私の心は完全に奪われたみたいだ。

そんなことを考えてると

「俺、ぶどう」

「俺、いちごオレ」

と、林田と木山もちゃっかり入ってきた。


仕方ないみんな頑張ったし
今日くらいは奢ってあげよう。

「わかった!ちょっとまっててね!」

私は自販機まで猛ダッシュした。

ジュースを買い
急いでグラウンドへ戻る。

「さんきゅ」

森山が微笑む。

あぁ、笑わないで。

心臓が壊れそうなのー!

私重症だ。

どうやら治らない恋の病にかかったみたいです。