「すーちゃん元が綺麗だから、少し手をかけるだけですっごく目を引くんだよ」
随分と嬉しいこと言ってくれるなぁ。
「いやいや。自分が綺麗だなんて1ミリ足りとも思ったことないし…」
「まぁ、そこがすみれの良いところよね」
良いところって、どういうところよ。
「うん。まぁそれはそうだけどね。……すーちゃん、」
「は、はい」
「自信持って、愛されてね」
「……へ?」
「…今までたくさん頑張って、我慢して来たんだもん。すーちゃんにはもう、幸せになる道しか用意されてないと思う」
幸せになる道。
「京、香…」
「…そうよ。何にも考えないで、幸せに浸りなさい」
「…純」
…本当に不思議。いつも、私の心が一番喜ぶ言葉をくれるから。
「…うん。ありがと」
「よくってよ」
「ふふ。なんか乙女なすーちゃん可愛い」
「本当ね」
「私はいつでも乙女だっつの」
「あら、この間飲み過ぎて人の家で吐いてた人が、いつでも乙女なのね」
「…いやぁ、あれは」
「あれは?」
「すみません。何にもないです」
「ふふ。すーちゃんと純ちゃんの言い合い最近見てなかったから、安心する」
「京香、これのどこが安心するの」
「そうね。私もすみれに説教すると落ち着くのよ。なんでかしらね」
「純。説教ってなんなの」

