「いいじゃない。出会いは多けりゃ多いほどいいもんなのよ」
賛否両論ありまくりな意見だなおい。
「で?会わせるの会わせないの。どっちよ?」
あぁ、この酔っ払い嫌だわ。どうしよう。
ちゃっちゃと会わせなさいよー!と、うだうだごねている千華子。
…コイツもなにかあったかな。と心配になる。
嫌なことがあると、昔から酒に溺れるタイプ。
今日の飲み方はその典型だ。
「…ちかちゃん、寝ちゃった」
「静かね」
「本当」
気付けば一人眠っている。
それが千華子のいつものパターン。
そしてここから、静かにゆっくり三人で語り合う。これもお決まりのパターン。
「…それで、今すみれは幸せ?」
「……うん。幸せ」
本当にそう思う。
「そう」
「うん」
こんなシンプルなやり取りも、長くお互いを知る間柄ゆえ。
「本当によかった。さっきはあんな風に言ってたけど、すーちゃん綺麗になってるもん」
いや、断じてそれはない。
「京香、慰めはいいよ…」
「違う違う。すーちゃんは自分をわかってなさすぎるの」
もう、すーちゃん!なんて力が入っている京香。
どうしよう。そんな視線を純に向けるも、知らないわよ。そんな視線が返ってくる。

