純さん…はい、言ってません。
今日みたいにげっそりするから。
なんて言えるはずもなく。
「まぁ、忙しすぎたから」
「それはそうだよね。すーちゃん課長だったんだもん。そこから異動って大変だよね」
「うん、引き継ぎとかもあったしね」
まぁ秘書になることに関しては、専務が全てバックアップしてくださいましたが。
「秘書かぁ、…どんな感じよ?」
そう聞いてくる千華子は、予約が取れないと有名な、女子なら一度は行きたいと憧れるお店のエステティシャンであり、店長。
私達の前ではいつもこんなだから、ちゃんとやっていけているのかと心配になるが、さすがは店長。
純と京香とそっと見に行った時には、バリバリ働いていて、部下から憧れの視線を向けられていたので安心した。
「仕事的には楽しいかな」
「仕事的には?他になにか問題あるわけ?」
「うん。自分磨きが…」
「「「自分磨き?」」」
「ほら、課長やってた時は、見かけなんて気にしたことなかったし。秘書室って綺麗な人ばっかりでしょう?…気後れしちゃって」
毎日奮闘中なのよねー、と机に顔を伏せる。

