あたしは優翔くんの前で泣いて過去を話してからしばらくたった。


もうすぐ夏休みでクラスのみんなもウキウキしている。


「早いなー…もう夏休みかぁ〜」

栞里は窓の外を眺めながら遠い目をして言う。

「あっという間だね〜」

あたしは栞里の口調をマネして言う。


ゆったりモードなあたし達のところに最近、珍しい来客がいる。


「凛菜ちゃーん、栞里ちゃーん!」

綺麗に巻いた茶髪を揺らしながらくる女の子…


「また来た…乃々愛」

呆れ顔で栞里が声のする方を向く。

「乃々愛ちゃん…」

あたしは、「さん」じゃなくて「ちゃん」にここ最近変えた。