しばらく沈黙が続いた。
彼女の鼻を啜る音だけが響く。
「……あたしの負けだね。…そうだよね…所詮過去のことに過ぎない…」
「確かに過去のことだけど…乃々愛さんが素敵な思い出、と思えてるなら過去でも良いかもしれない…」
「えっ?」
泣いて赤くなった目であたしを見る。
「だって、過去が嫌な思い出より素敵な思い出の方が良いじゃないですか…」
嫌な思い出なら、それと同時に自分が嫌いになってくしね?
「優翔くんとキスしようが何しようが、今はあたしです。それだけです」
あたしは後ろを向き図書室から出ようとした。

