すうっ…と深く息を吸い家を出て行く。

バスに乗り込み、本ではなく参考書を開いた。


中学の時の入試と同じくらい、このテストが緊張する。


やることやったし大丈夫だよね。

昨日も夜ずっと頑張ったし。



バスを降りると今、一番会いたくない人にあった。

「…乃々愛さん…!」

「おはよう、凛菜さん」


余裕の表情であたしを見る。


「今日はお互い頑張ろうね。……絶対にあたしが勝つから」

小声で乃々愛さんは囁く。


負けられない気持ちはあたしだって一緒だ。


あたしはそのまま乃々愛さんの前を通り過ぎた。