こんな私が恋ですか。




キーンコーンカンコーン…−



「あ…ヤベッ」

「どうしよ…」

遅刻ですね。はい、これ遅刻決定です。

「凛菜ちゃん!走るぞ!」

「えっ、あっ!ちょっと待って!」


あたしの右手をギュッと掴んで廊下を、階段を駆けてく。


手を繋いでることを意識すると、また赤面。


この人といたら、みんながこんなに心臓ドキドキするの?


お互いの教室が見えたところで須田くん…

じゃなくて優翔くんは口パクで『またね』と言い、あたしの手を離した。



まさかこの人が、あたしの気持ちをガラリと変える人だとはまだ思ってもなかった。