早くも一時間目が終わると、ふぅ、と息をついた。



勉強は得意な方だけど、さすが進学校。進みが速い。



そうしていると、ふいにクラスの女子が近寄ってきた。



一人は茶色の巻き毛に、ぱっちりとした二重の大きな瞳が印象的だった。



もう一人は、黒い肩までくらいのストレートに、前髪は上げていて、きりっとした眉と、こちらも大きな黒い瞳だった。



「こんにちは。私、音宮 瑠璃(おとみや るり)って言うの」



「私は、黒田 繭(くろだ まゆ)って者よ」



茶色の巻き髪が、音宮さん。黒い方が、黒田さん。