【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





「……わ、私どうしたらいい?」


「えー……。別に……普通で」



普通ってなんじゃい!



「適当に答えないでくれる!?こっちは
心臓張り裂けそうだっていうのに!」


「俺以外の奴にドキドキすんな」


「そういうドキドキじゃない!ていうか
ここ、不機嫌になる所じゃない!」



ほんと、実際私の事なんてどうでもいい
んじゃないの!?



「──っもういい!山本さんに訊く!」



そう言って、部屋を出ようとした所を、
辻宮に後ろから抱きしめられた。



「美里」


「……っ」



耳元で、甘く囁かれた低い重低音に、耳
が溶けてしまいそう……。



耳は……止めて欲しいのに……。