涙目になって、息切れしてる私と、息一
つ乱れてもいない、辻宮。
辻宮はごく冷静に、私を見つめていた。
「お、起きて……」
「うん。なんか美里が俺のこと襲おうと
してたから、寝てた。途中で止めようと
したからこっちから襲っちゃったけど」
そんな辻宮の言葉にカアッと熱くなって
いく身体。
「おっ、襲おうとなんて……」
「嘘つき。ちゅーしようとしてたくせに
」
ニヤリ、と妖艶に口元を歪めた辻宮から
、目を逸らした。
……柊美里、一生の不覚……。
「山本さんが、朝食だから辻宮のこと起
こしてって……」
「……はぁー。めんどくさ…。あ、親父
居るし……」
ポツリ、何気なく呟いた辻宮の言葉が、
痛いくらい鮮明に脳裏に焼き付いた。


