【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





ていうか切られたくないなら、とっとと
喋ればいいのに。なんて、言えないけど




「あの……どうしたんですか?」


『……楽しかったか?』


「え?」


『旧友に会ったんだろ?紀藤が、皆にお
前を会わせたいって言ったから、俺は渋
々認めたんだよ、お前と紀藤が出掛ける
のを。


だから楽しめてなかったら意味ないだろ
?』



思わず、頬が緩む。



なんだかんだ言って、優しいんだよね、
辻宮。



「楽しめたよ、ありがとう」


『ん。旅館には一人で泊まってるのか』


「え?ううん。斗真と同室」


『……。』



……あれ。


また、空気が固まったぞ……?



受話器を握る手が、緊張で汗ばんでいく