ーー波乱、というものは。生きていれば必ずどこかで出会うものかもしれない。



それは良い波乱かもしれないし、悪い波乱かもしれない。



けど。



こう、何度も悪い波乱がおきては、さすがの私だってたまらない。



ーーーああ。今すぐ回し蹴りをしてやりたい。



満員電車の中、私はそんな思いと葛藤していた。



自分のお尻をさ迷う手が、気持ち悪くて仕方ない。



けれど満員電車の中で、回し蹴りをお見舞いするのはみっともないし、かといって叫ぶのも恥ずかしい。



ああ~……もう!!



だんだんと、そいつの手の動きが激しくなって、ぞわぞわっと鳥肌が立った。