『……今回は……ほんとはいってほしく
ねーけど……今回は許す。だけど次、俺
の知らない所で男なんかと約束してたら
、お前のこと、めちゃくちゃにするから
』
「め、めちゃくちゃ……って?」
恐る恐るといったようにそう訊くと、ふ
、と辻宮がわらったのが分かった。
それから、腰が砕けちゃいそうな甘い声
で、
『……俺のことしか考えられないように
、してやるよ』
なんて囁かれたものだから、カアッと体
温が急上昇した。
「……っサヨナラ!」
それ以上は辻宮としゃべってられなそう
だったので、一方的にそう言って、電話
を切る。
それから、バクバクする心臓を押さえな
がら鏡を見れば、顔が真っ赤だった。
「辻宮の馬鹿……」