すると、電話越しに聞こえてきた大きな
ため息。
『なんでお前ってそんな馬鹿なの?』
───ムカッ。
今の言い方、気に入らない。イライラす
る。
「別に馬鹿じゃないし!辻宮のは偏見だ
よ!だいたい、友達と遊ぶくらいで何で
怒られなくちゃならないわけ!?
友達とのことまでに、口出さないで!」
『───じゃあ、お前は良いのかよ』
さっきみたいな苛立ったような口調じゃ
なく、少し苦しそうなそれに、思わず息
を止める。
『俺が"友達だから"って言って、女と二
人で遊んでも良いんだな?』
急激に、昂った感情が冷えていく。
そんなの……そんなの───……。
「私、は……」
『俺は嫌だ。お前が他の男と楽しげにあ
そんでるなんて、考えるだけで狂いそう
だ』
「辻宮……」