今日は辻宮と帰ろうとしたら、珍しく、
斗真が辻宮を誘ってどこかに行ってしま
った。



「あの時の斗真、やけに真剣だったなぁ
……」



自分の部屋のベッドに横になって、天井
を見つめながらそう呟いた。



いつもニコニコ笑ってるのに……何か、
あったのかな。



そんなことを考えていたら、ケータイが
鳴った。



「えっ!?」



サブディスプレイに表示されたのは、な
んと辻宮の名前で。



辻宮から電話なんてあんまり無かったか
ら、少し緊張してきてしまう。



「はい、もしも───」


『美里』



通話ボタンを押したとたん、流れてきた
その声がすごく低くて。



思わずピキ、と固まってしまう。