恐るべし、紀藤家。
「まあ社長に跡取りが居なかったのも、
運が良かったんだろうけど。東京に本社
があるっていうんで、引っ越してきたん
だよ」
「なるほどねー」
「……でさ、柊」
「ん?」
名前を呼ばれて斗真を見上げれば、斗真
は困ったように笑っていた。
「この人達って……」
そんな斗真の視線の先にあるのは、獲物
を狙うような目の瑠璃と、そんな瑠璃に
ため息をついている繭。
「えっと……友達」
「瑠璃です!良かったら私のパートナー
にでも……」
こらこら。
あなたパートナー居るでしょ。それに同
学年は権力がないと無理でしょ。
呆れたように瑠璃を見てから、斗真に視
線を戻す。


