「そんなことございませんよ。秋様も、
お喜びになると思いますよ」



辻宮家に電話したら、出たのが山本さん
で、辻宮に会いたいことを伝えれば、迎
えに来てくれた。



「でもまだ寝てるんですよね……」


「はい。ですのでお嬢様が起こして差し
上げてください」



い、いいのかな……ほんとに。



今さら怖じ気付きながら、気付けば辻宮
の部屋の前。



「では、私はこれで」



……ああ、やっぱり行っちゃうのね。



辻宮を起こさないように、そうっと扉を
開けて、無駄に大きなベッドの側まで近
寄る。



そこには、あどけない寝顔を浮かべた辻
宮が居た。



寝顔、可愛すぎ……。この寝顔からは、
辻宮のいつもの俺様さは読み取れないわ
ね……。



「……辻宮……」