気が付けば、自分の部屋のベッドの上だ
った。



あれからどう帰ってきたのかなんて、覚
えてない。



ただ、あの時の辻宮の真剣な表情が、ず
っと頭から、離れなくて───……。



多分ずっと放心状態だったんだと思う。



「……冗談でしょ……?」



くしゃり、と前髪をかき揚げて、はあ、
と息をつくも、とても冗談には思えなか
った。だから余計に厄介なんだ。



からかってます、って雰囲気があれば、
笑って誤魔化せたのに───それすら、
許されないような雰囲気で。



ふと、ベッドから降りようとしたら、枕
元のケータイがピカピカと点滅している
のに気付いた。



……メールだ……。



メールを確認すると、差出人が辻宮で、
ドキッと心臓が加速した。